SSブログ

【 苛政は虎よりも悪し 】 [政治]

【 苛政は虎よりも悪し 】 

今年は寅年なので、虎の話をちょっと書いてみます。論語に登場する「苛政は虎よりも悪し」という言葉は、有名ですが、その大意は下記の通りです。

 ある時、孔子の一行がお墓の前で泣いている女性に出会います。訳を尋ねると、「 私の父は虎に殺されました。私の夫も虎に殺されました。いままた息子が虎に殺されたのです 」

「 それほどまで恐ろしい土地にどうして住み続けるのですか?」

「 この土地は税金が無いのです 」それを聞いた孔子は、

「 諸君、この通り過酷な政治とは虎よりも酷いものなのだ 」と語ったという話です。

・・・・・・

実際に野生のトラと一緒に暮らすストレスがどれほどなのか?かつて野生のトラがいなかった日本に暮らす者には分かりません。と、思っていたら、ひとつだけ・・・例がありました。

・・・・・・

1979年、千葉県鹿納山神野寺に飼われていた若いトラ2頭が脱走した事があります。神野寺では十二支の動物を揃えた動物園を経営していたのですが、何者かが檻の錠を外して逃がしたのです。

・・・・・・

鹿納山の下には、千葉県の住宅街が広がります。関係ありませんが、新日鐵君津製鐵所も近くです。 とうぜん周辺は大パニックになり、捜索が始まりました。 しかし地元の警察は猛獣狩りの術を持ちません。そこで猟友会が動員されました。

・・・・・・

動員されたハンターは大喜びです。狩猟を趣味とする人々は皆さんトラ狩りに憧れます。でも絶滅危惧種の虎を狩猟できる機会など、一生の間に一度もありません。だから彼らにとってはまたとないチャンスだったのです。住民が怯える中、ハンター達は、いちはやくオスの1頭を殺し、2ヶ月後にはメスの1頭も射殺しました。被害の方は、民家の庭に飼われていた犬が1匹犠牲になりましたが、人の被害は無かったそうです。

射殺後に解剖されたメスの虎の胃袋からは椿の葉っぱだけが見つかったそうです。動物園で生まれ育った若いトラには餌を捕る能力が無かったのです。

・・・・・・

しかし、トラが脱走した時も、付近の住民は外出を控えたものの、別の土地に避難したり、引っ越した人はいなかったそうです。オヒョウが県知事なら、一斉に避難指示をだしますが、そうはなりませんでした。千葉県の鹿納山がそれほど住みやすい場所なのか、あるいは税金が安いのか・・・、オヒョウには分かりません。ただ確実に言える事は、君津市は新日鐵君津製鐵所の企業城下町であり、税金面では恵まれていたはずです。

・・・・・・

古今東西を問わず・・・といっても、トラはアジアの動物で、西の方にはいませんが、トラとは恐れる一方で退治すべきものだったようです。

加藤清正は朝鮮でトラを退治したと言いますが、今はすでに朝鮮半島のトラは絶滅したようです。中国には、昔は北から南までトラが棲息していましたが、現在は極少数しか残っていないとの事で、先日のニュースでは野生のトラを殺して食べた人が、逮捕され投獄されたそうです。もはや中国では、人よりもトラやパンダの方が貴重な存在です。

・・・・・・

日本では、依然トラ退治が英雄的行動になっています。前回の参議院選では、姫の虎退治と称した選挙戦があり、民主党の女性候補が自民党の有力議員を破っています。当時、長期政権にあぐらをかいていた自民党の幹部は、たしかに国民の方を向いていなかったきらいがあり、お灸をすえる意味での虎退治は意味があったかも知れません。 しかし、その後「姫」議員はスキャンダルが流れただけで、目に見える活躍もしていません。その後の衆議院総選挙で政権交代を果たした民主党も、政権樹立後100日を経過して、まだ何も決めていません。トラは俊敏・迅速な動物ですが、それとは対称的です。このままでは孔子に言われてしまうかも知れません。「こんな政治ならトラのいる暮らしの方がましだ」と。


nice!(6)  コメント(2)  トラックバック(0) 

nice! 6

コメント 2

白熊パパ

明けましておめでとうございます。
健康第一、ラブ&ピースで本年もよろしくお願いします。
by 白熊パパ (2010-01-05 02:39) 

笑うオヒョウ

白熊パパさん、コメントありがとうございます。
ご挨拶が遅れましたが、こちらこそ、今年もよろしくお願いします。
by 笑うオヒョウ (2010-01-05 15:10) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。