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【 広島・長崎オリンピックに反対 その2 】 [政治]

【 広島・長崎オリンピックに反対 その2 】

 核兵器廃絶運動は、紛れもない正義です。面と向かって、そう言われれば、誰も反論できません。でも、60年以上も反核運動をしていても、ちっとも核兵器は減りません。正確には、核弾頭数は減っていますが、核保有国は増える一方です。

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残念ながら、核廃絶の声は、各国の指導者の心に届きません。理由は数多くありますが・・、理由の一つは、反核運動が正義だからかも知れません。 良識ある大人から見れば、正義だとか良心という言葉くらい胡散臭いものはありません。まず、人々が大上段に掲げる正義くらい怪しいものはありません。良心的な政治家と言われながら、無能で不誠実だった政治家は枚挙に暇ありません。

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かつてコラムニスト山本夏彦は、「汚職は国を滅ぼさないが、正義は国を滅ぼす」という名言を吐いています。実際、日本も昭和の前半に遂行した戦争は、日本から見て、正義の戦だったはずですが国を滅ぼしてしまいました。

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現在も続く、アルカイダのテロ攻撃は、彼らにとっては聖戦(ジハード)つまり、正義の戦いです。 そしてアメリカ映画で、ジョンウェインがアメリカインディアンを殺すのも正義の行為です。

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更に言えば、ナチス・ドイツだって、チェコのズデーデン地方のドイツ人がチェコ人によって虐げられている・・とヒットラーが訴えれば、ズデーデン地方のドイツによる簒奪だって正義の行為になります。

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人種差別反対だって、核兵器廃絶だって、非の打ち所の無い正義ですが、正義である以上、危ういのです。 だからオリンピック委員会は正義の主張を認めません。

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実のところ、オリンピックはしばしば政治に利用されてきました。古くは、ベルリンオリンピックは、映画「民族の祭典」で知られる通り、ナチス・ドイツのプロパガンダになりました。多くのユダヤ人を弾圧し、戦争準備を着々と進めながら、平和と友好を謳ったのです。

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なに、21世紀だってそうです。北京オリンピックは、日本のマスコミはあまり報じませんでしたが、人権を抑圧し、民主化を拒否している中国政府の宣伝色が強かったのです。

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モスクワオリンピックでは、ソ連のアフガン侵攻に抗議して、西側諸国は(正義の行為として)ボイコットしました。 おそらく世界地図でアフガンがどこにあるかも知らない日本人選手達は、駄々っ子の様に、TVカメラの前で泣き、「オリンピックに行きたいよぅ」と叫びましたが無駄でした。

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そのお返しにロサンゼルスオリンピックでは東側諸国が、同じく(正義の行為として)ボイコットしました。ソ連の指示に従わず、自己の正義を貫いて参加したルーマニア選手団に、アメリカ人は惜しみない拍手を送ったのです。

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しかし、なんたることか、その後、ルーマニアはチャウシェスク大統領の専制政治が暴露され、大統領は処刑され、過去の政治はとんでもない誤りだったと・・されました。 ソ連が侵攻したアフガンでは、今アメリカ軍がもがいていて、はやベトナム戦争の様な泥沼状態です。ソ連も崩壊しました。 ナチス・ソ連・ルーマニア・アメリカ・・・彼らがオリンピックで見せた「政治的正義」とは何だったのか?「逆説のオヒョウ」は何時も正義を疑います。

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オリンピックを国家の宣伝に利用した中国も・・・やがてあれば人権を弾圧した上での、祭典だったと・・暴かれる日が来るかも知れません。

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だから、例え反核や核兵器廃絶が正義であっても、オリンピックに使ってはいけないのです。

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では、どうやって、核兵器を無くすのか・・・?高橋和巳は小説「憂鬱なる党派」の中で、主人公にこう言わせています。

「 結局、世界中の全ての国が原子爆弾の惨禍を等しく経験しなければ、核兵器はなくならないのではないか。 被爆した人々が、被爆していない国の人に訴えても、核兵器はなくせないのではないか 」

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残念ながら、おそらく、その通りでしょう。

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演説を聞く限り、オバマ大統領は、誠実な政治家と思われます。でも彼の力でも核廃絶は無理でしょう。 そして2020年のオリンピック時点では、彼は大統領を退いています。 恐らく核廃絶とオリンピックを結びつける試みは失敗するでしょうし、それにオバマ大統領を結びつけるのもうまくいかないでしょう。

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オリンピックの招致はあきらめて、大統領を引退した後のオバマ氏を広島・長崎に呼んだらいいでしょう。 初めて原子爆弾投下国の責任を認めた大統領として歓迎するのです。 でも勿論、旅費はオバマ氏持ちですよ。ノーベル平和賞の賞金から出して貰えばいいのですから。


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