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【 我が心は石に匪ず 再び その1 】 [政治]

【 我が心は石に匪ず 再び  その1 】

 成田空港の問題がまたぞろ議論されています。本来、国際線の要になるのは、成田空港であるべきで、羽田が国際空港化するのは怪しからん・・という意見は、友納知事から堂本知事に至るまで、代々の千葉県知事の見解でした。

まあ、森田知事の場合、パフォーマンス(だけ)の人という事で、おもしろおかしくその怒りを表現するので、マスコミには受けるでしょうが、基本姿勢は従来の知事と同じです。

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千葉県知事が他県の空港である羽田空港の機能について言及するのは勿論、成田空港を引き受けた立場として発言権を持つと考えるからです。

しかし、成田空港問題で千葉県が被害者面をして、羽田の国際空港化を妨げるのは、筋の通った話なのでしょうか?或いは、羽田空港の国際化で、千葉県は被害者になるのでしょうか?

検証してみる必要があります。

 1.千葉県は成田空港を引き受けた事で国に貸しを作ったのか?

成田闘争では多くの事件があり、多くの人々が被害を受けています。しかし、一連の成田闘争で殉職した警察官は全員、東京の機動隊に所属し、千葉県警の警官で亡くなった人はいません。 土地の強制収容の代執行に関連して、千葉県の土地収用委員会のメンバーが過激派に襲われ、瀕死の重傷を負った事件がありました。この為、土地収容委員会は全員が辞表を出して機能しなくなっています。確かにこの点では千葉県は被害者です。

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それ以外でも、成田闘争では確かに有形無形の被害を、県民が被っていますが、成田空港ができた事のメリットと相殺すると、必ずしも、県全体が被害者とは言えません。メリットを享受した人も多くあります。

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もし、本当に千葉県が空港を押し付けられた被害者で、成田空港が厄介者なら、羽田の国際化で成田空港の役割が矮小化するのを歓迎するはずです。実際には成田空港の存在を歓迎するから、羽田の国際化に反発しているのでしょう。 だから「空港を押し付けられた被害者」ではありません。 確かに千葉県は、首都圏空港問題の当事者の一人ですが、成田空港を有するからといって国に貸しがある訳ではなく、他の都県の空港の機能について干渉する資格はないのです。

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空港建設時の約束や条件はどうなのか?成田空港の建設決定時に、嫌がる千葉県に「内際分離で国際線を成田に一本化するから」という条件を政府が提示し、それを千葉県が受け容れ条件として納得したのなら、千葉県知事の怒りも道理なのですが・・・、でもどうしてそういう理屈になるのか分かりません。

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国際線を成田に一本化する事がどうして千葉県にとってよい事なのか?内際分離をして、国際空港としての成田の優位性を示す事が千葉県にとって大きなプラスになるという理屈が分かりません。

 「 国際線と国内線を分けなければならない。羽田は国内線用に使わなくてはならないから、国際線用として、もう一つ必要だ。 だから成田にお願いする 」という説得が国から千葉県になされたのかも知れませんが、 どう考えても無理です。

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1.当時、容量的に羽田空港1つでは限界に達していたのは明かで、どのみち、もう一つ空港は必要でした。内際分離は、第2空港が必要な本当の理由ではありません。 実際、成田開港後も中華航空の国際線は長く羽田に残りました。

2.内際分離する必要もありません。

3.もう一つ空港が必要という論理と、それが成田でなければならないという論理が直接結びつきません。かなり飛躍しています。

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繰り返しになりますが、千葉県が成田空港を引き受けた事と、羽田が国内線専用でなければならないことは、繋がりません。そして羽田に国際線が飛んでも、成田は成田で、重要な機能を果たす事は間違いありません。

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千葉県知事は、何にたいして意固地になっているのか・・・分かりません。でも地元住民の立場になって考えれば、多少、理解できる部分もあります。 それについては次号で詳細を申し上げます。


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