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【 お盆の高速 】

【 お盆の高速 】 

高速道路の料金体系が非常に複雑になっていて、オヒョウには判りかねる面があります。具体的には、ETC割引の内容が 曜日、時間帯によって異なり、しかも適用される区間とされない区間もまちまちです。

特に、お盆休みなどがある8月は、日によって、料金割引の内容が異なり、1日間違えただけで、割引を受けられなくて、予想外の出費になったりします。 

基本的には、通常料金から割り引く形になっているので、文句も言えませんが、割引内容には、多くの矛盾や不公平があり、利用者の不平と不満を招いているのも事実です。

不公平の最大のポイントは、言い古された事ですが、ETC利用者は割引を適用されるのに、ETCを利用しない人には割引が適用されない事です。 一物一価の原則が適用されません。

・・・・・・この点について、川崎のご隠居は、

ETC化で料金徴収にかかるコストが大幅に下がるのなら、その分を利用者に還元 する形で料金を下げるのは分かる。しかし、割引率は明かに、そのコストダウン分を超えている」 と言っています。 

オヒョウも同感ですが、若干の補足があります。

1.ETCカードがプリペイド型なら、JHは金利分を稼げるし、

    手持ちの現金をいろいろ活用できるので、そのメリットの分を

    割り引きできる。しかし現実はそうではない。

2.ETC化で料金所の人件費を削減できるのは事実だが、

  巨額の設備投資分を回収するには相当の期間が必要。

  ETC化は、JHにとってむしろ負担となるはず。 

  つまり、JH側は明らかに、損をしてまで、利用者にETC化を

    促している・・・と言う事です。

・・・・・これは不思議です。 

一部の噂では、ETCの機器を製造・販売する会社に旧道路公団からの天下りがあり、癒着しているとの事ですが、どうなのでしょうか?未確認なので、これ以上は書けませんが、もし民主党が政権を取って、高速道路を無料化すれば、真実が分かるかも知れません。

・・・・・・・

もし、景気刺激策の一環として、高速道路料金を安くするなら、不公平感や矛盾を伴わない割引方法があるはずです。 

1.片側 1車線で対面交通の区間の高速料金を安くする。  

  日本の高速道路には、片側1車線で中央分離帯無しの区間が  

  かなりあります。  

  そこは、制限速度が70Km/hに制限され、通常の時速100Km/h  

  区間より遅くなる上、車線が少ないので渋滞し易く甚だ不便に

     なっています追い越しもできないので、低速車輌が律速となって、

     流れの速度(実勢速度)が不自然に遅くなったりします。 

     なにより中央分離帯の無い区間は危険です。

  日本の高速道路で一度に複数の死者が出る大事故は、

     しばしば対面交通の区間のトンネルなどで発生しています。

     北陸自動車道での最悪の人身事故は、親不知の

   トンネル区間がまだトンネル1本で対面交通だった頃に

   発生しています。

   東海北陸自動車道での過去最悪の事故も、

   対面交通の区間で発生しています。 

   両方とも乗用車の正面衝突です。 

  片側1車線で中央分離帯も無い不完全で危険な

  道路を、高速道路として料金を徴収するのは、

  おかしな話です。 これまで、高速道路料金は、国やJHから

  見れば、建設費の償還の為の料金徴収であり、

  受益者負担の原則に基づくものでした。

  一方、利用者から見れば、快適で高速な移動手段の

  提供に対する対価であり、鉄道運賃などと似た性格の

  支出と考えます。 それなら快適で安全なサービスが

  提供されねばならず、速度制限が厳しくかつ危険性が増す、

  対面交通区間の高速料金は割り引きされるか、

  無料にされるべきです。

 2.本来期待できるサービスが得られなかった場合の料金割引  

  鉄道や、航空機の場合、その速度と定時到着の保証は

  サービスの主要なポイントであり、遅延などで、所期の

  サービスが得られなかった場合は料金の払い戻しなどの

  補償があります。 それに対して、高速道路の場合、

  濃霧や降雪で速度制限になった場合、あるいは渋滞が

  発生しても、料金を割り引く事はありません。

  「なんだ こんなに時間がかかるなら、一般道を走っても

   同じだった」と思っても料金は返却されません。

  甚だしきは、工事渋滞など、道路管理者側の事情により

  不便や不利益が発生した場合も同様です。

  その様な場合は、一定の基準を設けて割引にすべきでしょう。 

3.その他のサービス低下に対する料金割引  

  地方の高速道路ではサービスエリアや給油所の間隔が長く、  

  長時間休息できない場合もあります。  

  サービスエリアの使用、トイレの使用なども、当然

  高速道路が提供するサービスの一部であり、

  高速料金に含まれます。

  従って、サービスエリアやパーキングが間遠な区間に

  ついては料金を割り引くのが適当です。

・・・・・・

高速料金をサービスの対価として考えた場合、料金割引の優先順位には問題があり、矛盾もあります。それは、国やJHが高速料金をサービスの対価としてお客から貰うものではなく、建設費償還の為に徴収するお金で、たまたま受益者負担で利用者から徴収しているだけ・・・と考えているからであり、民間企業の発想とは大きく異なります。

日本道路公団は、民間企業に近づく為にはJHになりましたが、この発想を転換しなければ、本当の民間企業にはなれません。

まして、高速料金の有無や多寡を政争の道具としてしまっては、JHは絶対に民間企業の意識を持てなくなります。 

外国では、基本的に先進国(米、英、独等)の高速道路は無料で、やや遅れた国(イタリア、中国等)は高速道路が有料です。どちらがいいという訳ではなく、それぞれに、国の明確な道路行政に基づいてシステムがあるのであり、日本のように景気対策でコロコロ料金体系を変える国はありません。 

そして、民主党が唱える高速料金をタダにする政策は、JHを独立した企業でなくすものであり、これからの道路行政を考えた場合、大きな禍根になりえます。 

だから、オヒョウは民主党の公約に賛成しかねるのです

(でも本当は、高速料金がタダになれば嬉しいのですが・・・)


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コメント 4

yoshimi

こんにちは。割引のせいで高速道路が徐々に渋滞化してますね。無料化したら、どれだけ低速化が進むでしょうか。

猪瀬氏によれば、高速道路は有料化の流れが先進国ではトレンドらしく、ドイツのアウトバーンは大型トラックに課金し、アメリカはフリーウェイの7%を有料化、イタリア・フランスでは高速道路は民営化し8割程度が有料、となっているらしいです。(数値については他のデータで確認していませんが、有料化の流れ自体は事実だと思います。)
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20090825/176220/?P=3

この先進国最悪の財政事情のなかで無料化するのは、かなり太っ腹ですね。私は車は乗らないので直接的な利害は全くないのですが、宅急便などの輸送システムへはどういう影響ができるのか、かなり興味があるところです。
by yoshimi (2009-08-27 10:34) 

牛肉面

本当にタダになれば嬉しいですが・・・渋滞ばかりで高速の意味がなければ、やはり誰のためにもならないではないでしょうか。まして、一度タダになったものを再度料金徴収するようになると、ほんとうに気分が悪くなりますね。

運送会社は、恐らく運賃値下げを迫られ、しかし、一般車が多すぎて、仕事にならないことは誰も言及しないでしょう。

さらに今の子供達が大人になるとき、国の借金がいくらになっているか、考えるだけで、タダの気持ちでは乗れないですね。
今週末は究極の選択を・・・
by 牛肉面 (2009-08-28 15:36) 

笑うオヒョウ

牛肉麺さん、コメントありがとうございます。
昨日(9/2)の報道ステーションではゲストの民主党の人が、
ただちに、高速道路の全面無料化をする訳ではない・・・と語っていました。
地域毎に個別の事情を考慮し、料金を見直していく事には賛成ですが、
これでは、選挙公約(マニフェスト)と違うではないか? とオヒョウは思います。 この辺の事はまたブログに書きます。
by 笑うオヒョウ (2009-09-03 12:46) 

笑うオヒョウ

YOSHIMIさん、先進国の高速道路事情についての情報ありがとうございます。 なるほど、先進各国は、高速道路を有料化する流れなのですね。日本の方向が逆である事がよくわかりました。

私が、疑問に思うのは、課金する理由です。
建設費の償還の為なのか、維持管理費をまかなう為か、税収として期待しているのか、それとも、CO2削減の為に、公共交通機関への転換を促すためなのか、道路管理者は明確にして欲しいと思います。 その方が、利用者も納得して払えます。日本の場合、景気対策というものの、選挙対策のバラマキや対立政党に反発するために対案の様に思えて、どうもすっきりしません。
by 笑うオヒョウ (2009-09-04 03:43) 

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