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【 後衣の朝 】 [ポップス]

【 後衣の朝 】

一青窈のCDを聞いていて、思いついた事を書きます。
・・・・・
高校時代に学んだ古文の授業には、高校生に理解しろ・・と言っても無理な話も多くありました。

その一つが「後衣の朝」です。
男女が一夜を過ごした後の別れの朝で、別れを厭う思いと、情事の後のけだるさが混じったアンニュイな雰囲気を象徴する言葉ですが、高校生ごときにそれを理解しろ・・という方が無理です。
オヒョウなどは、単に「きぬぎぬのあさ」という漢字の読みが試験問題に出るから・・というだけで記憶しただけです。

高校生に理解できないのは当然として、おとなになっても、あるいは結婚しても、実際問題として「後衣の朝」の雰囲気を味わう事はありません。 
なんとなれば「後衣の朝」が特に意味を持つのは、通い婚あるいは妻問婚が一般的な社会だからです。
日本で言えば源氏物語以前の昔となりますし、現代で探すならインドのドラビダ族の風習ぐらいです(多分。私は世界中調べた訳ではありません)。

今、日本の夫は、朝になったら家を出て、どこかに帰らなくてはいけない事情など無いのです。(まあ、人によるかも知れませんが)。

しかし、夫(またはパートナーの男性が)帰らなくてもいいというなら、
話は別で、現代でも通用します。
「後衣の朝」とはちょっとニュアンスが違いますが、男女が一緒に迎える朝の静かな感動を歌った詩や曲は多くあります。
オヒョウがちょっと思いついたのは下記の3曲です。

 朝陽の中で微笑んで 荒井由美(松任谷由美)
 Sunny Side Up      一青窈
 水曜の朝午前3時に  サイモンとガーファンクル

どれも、穏やかな優しさをテーマにした曲になっています。
ではこれらの曲の原点はどこか・・・と考えると(日本の場合)、
高杉晋作が作った有名な都々逸が、それに該当するかも知れないと思います。
「三千世界の鴉を殺し、主と朝寝がしてみたい」という短いものですが、
意味はちょっと複雑です。
子供の頃に、この都々逸を聞き、その意味を母に尋ねましたが、回答はありませんでした。 子供には早いという事もありましたが、三千世界の鴉を殺す意味について、いろいろな解釈があり、単純ではないからかも知れません。
・・・・
高杉晋作の都々逸の解釈は難しいですが、例えば荒井由美の
「朝陽の中で微笑んで」は分かりやすい曲です。そして名曲です。
しかし、この名曲の雰囲気というか良さを高校生が分かるかな?
(高校生というのは、オヒョウの子供の世代です)。
「もし彼等に分かるならば、『後衣の朝』の意味も分かるかも知れない。
でも、それはそれで、またちょっと困るな」
とオヒョウは考えます。

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